ジョエルの喫煙ライブラリを終了します
「禁煙」 死よりも怖い運命?
禁煙クリニックの関係者は禁煙に対す喫煙者のる強い拒否反応に驚かされる。他の参加者の恐怖の体験談を聞いても全く信じようとしない。様々な喫煙者が多重心臓発作を起こしたり、手足の切断になるかもしれない循環不良、ガン、肺気腫、その他不具になったり死に至る病の主となった。一体全体どうしてこれらの喫煙者はこれらの試練の後で、タバコを続けられるのだろう? 喫煙が自分を片輪にしたり殺したりすることを充分に知っている喫煙者もいるが結局喫煙を続ける。正常な心の喫煙者や非喫煙者が 「一体どうして?」 と聞くのは当然である。
このように複雑な問題の答えは実際は単純である。タバコがライフスタイルにあまりにも溶け込んでいるために喫煙者は喫煙を止めればタバコを連想させる全ての活動を諦めなければならないと考えている。その活動が朝起きてから寝るまでのほとんど全ての活動を含んでいることを思うと、人生は喫煙を止めてしまっては生きる価値の無いものに見える。また喫煙者はタバコが無いと、いつでもあの苦しいタバコの離脱症状を経験するのではと恐れている。これらのことをすべて考えると、タバコをやめる事はタバコで死ぬよりも大きな恐れになるのである。
もし人生が元喫煙者としてこのように惨めなものだという仮説が正しければ、禁煙をする価値は無いかも知れない。しかしこれらの仮説のすべては間違っている。禁煙の後にも人生はあるし、離脱症状は永久に続くものではない。しかし、喫煙者にこういうことを信じさせることは実際骨の折れる仕事である。こういう信念は深く心に刻まれており、タバコの見せかけの効用により条件付けられているのである。
喫煙者はしばしば朝ベッドから起き出すのにタバコが必要だと感じている。通常目覚めた時に軽い頭痛や、疲れ、イライラ、落ち込み、方向感覚の無さを感じたときである。彼はすべての人は目覚めの時にはこんな感覚なのだと信じ込んでいる。彼は幸運である、なぜならこれらのひどい感覚を解消する方法を持っているからである。彼は一本か二本のタバコを吸う。そして目覚めて人間の感覚を取り戻す。一度目覚めると今度は一日を過ごすためのエネルギーのためにタバコが必要だと感じる。ストレスがかかりイライラしてくるとタバコが鎮めてくれる。この不思議な薬物をあきらめることは彼にとって馬鹿げたことである。
でも禁煙すればタバコを吸っていた時と比べて気分が良くなり、人生にもっと効率よく対処することができるという嬉しい驚きを発見する。朝目が覚めた時、喫煙者としてタバコを吸っていた時よりも格段に気分が良い。もはやひどい気分でベッドから這い出なくてすむ。充分に休息がとれ新鮮な気分で起き出す。喫煙していた時よりも一般的に冷静である。ストレス下にあってもニコチンのレベルが許容下限を下回った時に感じたパニック反応を示さない。エネルギーの為にタバコが必要だという信念は最も当てにならない。ほとんどすべての元喫煙者は喫煙していた頃に比べてパワーが出て、耐久力が増し、エネルギーが溢れると証言するだろう。長引く離脱症状への恐れも根拠が無い、なぜなら禁断症状は三日以内にピークを迎え、二週間で完全に無くなるから。
どんな喫煙者でもタバコを吸わないことがどんなに素晴らしいかを体感する機会があれば、この致死性の中毒を維持している不合理な恐れを感じることは無くなるだろう。彼は人生が喫煙者だった頃よりも、よりシンプルに、幸せに、クリーンに、そして最も大切なことは健康になることを見出すだろう。彼の目下の唯一の恐怖は喫煙を再開する事で、それを予防するためにすることは…その一服を決して吸わないで!
翻訳:西田季彦