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決してその一服を吸わないで - Never Take Another Puff


「その当時どうして我々は生き残ったのか?」


数週間前、私は友人とその9歳、5歳の息子でホワイトソックスのナイトゲームを見に出かけた。試合は面白く、天気は良く、ホワイトソックスは勝利を収めた。ひとつだけその夜の完璧さを失わせることがあった。一列後ろで数席横の男性と二列前の若い女性がタバコを吸っていたのだ。屋外のスタジアムの全体のセクションの中でたった二人だけがタバコを吸っていたのです。セクションは恐らく100名くらいだったでしょう。タバコの煙への暴露は最少だったと思います。ところが彼らがタバコに火を点ける度に煙が私達の方へまっすぐに来るのです。彼らのどちらかがタバコを吸っている数分間というもの私の喉は息をするたびにヒリヒリしました。私は自分だけなのかと思いましたがそのうち9歳の子供が私を振り向き煙がヒリヒリすると苦情を言いました。彼ら二人が同時にタバコに火をつけた何度かは、煙がとてもひどかったので私は9歳の子供と立ち上がり刺激を避けるために、場内売り場のあたりを散歩しました。この二人の喫煙者のために我々の周りの100人ほどの非喫煙者の中の何人が同じ思いをしたのかと思いました。

何人かは二人がそれほどまでに利己的で人に配慮が無く、他の大勢の人の楽しみを台無しにしていることに怒り、苦い気持ちで試合見物を早めに切り上げたかもしれません。私は利己的で配慮がないとは思いませんでした。彼らの煙が周囲にいる大人や子どもを刺激していることに全く気がつかないのだと思います。注意されたとしても周りの人がそれほど不快に思っていることを彼らが信じるとは思えません。数秒の個人的な喜びをもたらしてくれる個人的な行為を邪魔する、よくいる狂信者だと思ったことでしょう。喫煙者は個人的な喜びを得ているのではなく、禁断症状を緩和しているに過ぎないということを議論するのがこの記事の目的ではありません。二人の喫煙者がいかに多くの人の夜を台無しにしたかをくどくど説明するつもりもありません。

それどころか、この二人の喫煙者は社会が喫煙に対してずいぶん遠くまで来たものだという感慨を高めてくれました。これが30年前だったら男性の半数以上、女性の三分の一が国中のどこの球場でもタバコを吸っていたことでしょう。たった二人で私や周囲の人をあれほどまで気分を悪くさせるだけの煙を出すのですから、当時は10倍いや20倍の酷さだったでしょう。我々はどうして当時の酷い状態を生き残ることができたのでしょう? 私は子供の頃煙の密度がとても高く刺激的だったのである種のイベントを途中退場したことを覚えています。煙を避けて数分間散歩をすることもできませんでした、煙がいたるところに充満していましたから。そんな状態に何も言うことができませんでした…当時は煙のことを言い出すのはとても非礼なことだったからです。我々が遠くまで来たと実感できるのは当時がいかにひどかったかを思い出すことしかありません。

二人の例外を除いて私たちはここでは実際のところ非喫煙者と元喫煙者に囲まれているのです。これらの人々はルールとか法律で喫煙を制限されているのではありません。彼らと私たち一人一人は選択権を持っているのです。彼らはあの男性や女性のように喫煙をすることもできたし、ほかの全員のように吸わないこともできたのです。90%の人は喫煙しないことを選びました。いままで一度も喫煙をしたことの無い人は当たり前のことだと思うでしょう。元喫煙者もタバコを吸わずにゲーム見物に座っていられることをどんなに幸せなことかと考えながら座っているわけではないでしょう。彼らも最早タバコを吸わないことを当たり前に思っているのです。二人の喫煙者は自分達の周りで自分だけが喫煙をしていたことは忘れているでしょう。

屋外のスタジアムで誰もタバコを吸っていないという日が来るに違いありません。リグレー球場は既に休憩所を除いて喫煙を完全に排除しています。また室内の公共の場所での喫煙も直ぐになくなることでしょう。ほとんどの人は選択の結果としてタバコを吸いません。いくらかの人は規則で縛られ吸うことでしょう。我々は座ってゲームを観戦し、会議に出かけ、レストランで食事をし、劇場のロビーにたたずみ、そしてどうして誰もタバコを吸わないのかと思うことは無くなるでしょう。もはや他人に自分の煙を浴びせないということは当たり前になるでしょう。子どもは自分の薬切れに対処する周りの大人の煙にむせることは無いでしょう。副流煙により攻撃された時代があったということは決して気づかないことでしょう。一方私たちは決して他人の煙で攻撃されないということを当たり前と思ってはなりません。多くの人がそういう場所でタバコを吸っていた時代、または少しの人が公共の場所でタバコを吸っている現在を思い出すべきです。そうすれば他人の煙で危険にさらされたり迷惑を蒙ったりしないようになったことに感謝の念が沸くことでしょう。

あなたはさらに自分が喫煙者で周囲の人に影響を与えていた頃を思い起こすべきです。当時は夢にも思わなかったでしょうが、あなたは自分自身だけでなく周りの老若男女を傷つけていたのです。あなたはその過去を変えることはできません・・・しかし、あなたは自分自身を煙にさらさないことと周囲の人が不快な思いと危険を冒さないようにすることに焦点をあわせることができます。そうすればあなたは決して危険に直面することも再び罪の意識を持つこともありません。決してもう一服をしないで下さい。

翻訳:西田季彦


© Joel Spitzer 1994




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Written April 2, 2007 and page format updated June 11, 2015 by John R. Polito